児童発達支援や放課後等デイサービスなどの現場では、子どもへの支援と同じくらい大切なのが「保護者との関係づくり」です。
特に発達障害のあるお子さんを育てている保護者の方は、不安や葛藤を抱えていることが多く、「信頼できる支援者がそばにいる」という安心感が大きな支えになります。
今回は、私が日々の支援の中で意識している「保護者との関係づくりのポイント」についてお話しします。
最初の印象は“安心感”が大切
初めて保護者の方とお会いするとき、私が意識しているのは「緊張をほぐすこと」と「話しやすい雰囲気づくり」です。
支援の場に来るというだけでも、保護者の方は少なからず不安を感じています。
だからこそ、第一印象で「この人はちゃんと話を聞いてくれそう」「この人になら相談できるかも」と思ってもらえるよう、穏やかな表情・声のトーン・うなずきや相づちを大切にしています。
日々のやりとりを丁寧に
保護者とのやりとりで特に意識しているのが「連絡帳」や「送迎時の一言」です。
ちょっとしたエピソード(「今日はこんなことで笑ってくれました」など)を具体的に伝えることで、子どもがどんな風に過ごしているかが伝わり、保護者の安心にもつながります。
また、良いことだけでなく、困りごとや気になった点も正直に、でも丁寧に伝えるようにしています。
一方的に伝えるのではなく、「お家ではどうですか?」と聞くことで、保護者も気軽に話しやすくなります。
困りごとを共有するときに気をつけていること
困った行動があった場合でも、“本人を責める”ような伝え方をしないことを心がけています。
例えば、
「○○くんが今日は暴れました」ではなく
「今日は不安が強く出てしまったようで、こんな行動がありました」
のように、その子の気持ちに寄り添った伝え方を意識しています。
また、「どう対応したか」「どんなサポートができたか」もセットで伝えることで、保護者の方に“支援の様子”がより伝わるようにしています。
保護者の声を「聴く」姿勢
保護者の方からの声は、子どもをより深く理解するための大きなヒントです。
「最近夜寝るのが遅くて…」「学校では大人しいんですけど…」など、何気ない話の中にたくさんの情報が詰まっています。
だからこそ、“聴く”時間を大切にすること。
すぐに答えを出すのではなく、「一緒に考えていく姿勢」で接することで、自然と信頼関係が築かれていきます。
おわりに
保護者との関係は、一朝一夕でできるものではありません。
でも、毎日の積み重ねの中で、少しずつ信頼が深まっていくと感じています。
子どもを中心に、支援者と保護者が手を取り合って進んでいける関係があることは、子どもの成長にとっても何よりの環境です。
これからも、「この人になら相談してみよう」と思ってもらえる支援者でいられるよう、丁寧な関わりを大切にしていきたいと思っています。
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